東京の大学病院から大阪の松本医院へ

2014/12/19、医科歯科大学附属病院で小腸型のクローン病と診断される。臨床調査個人票はこちら。

臨床調査個人票1 臨床調査個人票2

提示された治療方針は以下。

  • ペンタサやエレンタールの現状維持で様子見(おすすめできない)
  • ステロイド→イムラン(免疫抑制剤)へ移行(医科歯科おすすめコース)
  • レミケード、ヒュミラ(抗TNFα生物製剤)
  • 治験(この時は武田のベドリズマブ。後のエンティビオ)
  • 狭窄を手術

2014〜2015 年末年始
この頃は楽観的で、新し物好きなのでヒュミラがいいなと思っていた。レミケードは通院が面倒だし、注射は好きだし。新しい薬を使うことでサンプルになれるのならそれも人のためになっていいんじゃないかと。ただ、治療方針を決める日が近付くにつれて日に日に不安になりネットで調べまくると、レミケードもヒュミラも効かなくなっている人がTwitterで結構多く見つかって、初めて本当に怖くなった。

草野球で出会った、同年代で潰瘍性大腸炎が10年くらい治まっている方に、どんなプロセスで今に至るのかを聞いてみた。本人も自分はレアケースかもしれないと前置きしながらも親身に教えてくれて、悪い時期は基本的にペンタサと食事制限でなんとか耐えつつ、西洋医学と東洋医学でだいぶ揺れ動いたそう。芸能人にも有名な代々木の東洋医学の診療所に通ったり、西洋医学で完全に薬に頼る時期もあれば、極端な食事制限や、よくわからない漢方薬を大量に飲んでいた時期もあったそう。ただ、治らないという西洋医学よりも、必ず治ると言ってくれた東洋医学の方が精神的に充実して体調が良かったことも多いと。

また、若い頃はどちらかというと傲慢で嫌な奴だったが、病気になったことで自分を見つめ直し、徐々に他人のことを考えられるようになり、寛解と再燃を繰り返しながらも徐々にペンタサを飲まなくても良い時期が長くなり、完全に飲まなくなってからもう10年だそう。仕事で体に強い負荷をかけたりすると警報のようにUCの症状が出たので、経験上、原因はストレスだろうと認識しているそう。いわゆる長期寛解の様子。

それからは毎日ネットで情報を探し続ける日々。大学病院に行く前日は眠れず、朝まで調べまくり。最後は大阪の松本医院と広島のスカイクリニックの体験談を調べまくり、松本医院に決めた。決め手は、クローン病のryujiさんと潰瘍性大腸炎のnaokiさんのブログと、ホームページに記載された気が狂いそうになる膨大なテキスト(脱線しまくり)と、たくさんの手記。手記は完治に至っていない人にも無理強いして書かせているのか内容の薄いものも多いが、やはり生の声は気になった。
それと、スカイクリニックはメインの薬を青黛にしただけの対症療法であって、同様に漢方薬は出すものの、病気にはまず原因があり、漢方薬はあくまで症状を和らげる補助であり、自分の免疫で治すんだという松本医院とは全然違ったから。クローン病にはあまり効かないという情報も加味。

正直、松本医院の考えが正解かどうかなんてわからないし、大まかにポイントだけ理解したつもりでも、医学知識がないんだから嘘や間違いがあっても気付けないので、そこは自分の判断力で決めた。この人はものすごい勉強家で、天才ゆえに素直で不器用な人で、治療をやめた人からの悪評も、実際にあったことなんだろうと。そもそも先進国にしかない病気だったり、リウマチと同じ薬を使うのに全く別だとか、いう西洋医学には疑問点も多く、それらを全部説明してくれていたので、納得してしまう、もしくは納得したくなる部分が多かった。

あとは自分が今までペンタサ(メサラジン;アサコールやリアルダと同成分)しか飲んでいないことが大きかった。ステロイドやレミケード/ヒュミラなどの免疫を抑えつける薬を使った人の壮絶なリバウンド体験を読むと、一人暮らしで家族に頼れない当時派遣社員の自分では生活が破綻しそうだったけど、ペンタサだけで自覚症状が少ない自分ならなんとかなるだろうと。さらに漢方薬については証クリニックで何種類も経験済み(煎じ薬も)だったので信用していたし、症状に処方が合えば劇的な効果があることも知っていたから。

 

2015/1/9
治療方針を決める日。大学病院の主治医から改めて治療方針の説明を受ける。全てにおいてリスクがあることを丁寧に説明してくれた上で、抗TNFα系は後に取っておいて、まずはステロイドを短期的に使ってイムランに移行するコースを勧められた。
それを一通り聞いた上で「先生には申し訳ないが、最後に悪あがきをさせてください」と、東洋医学(今思うと東洋医学でもないが)に懸けてみたいことを伝えると、「広島ですか?」と。「いえ、大阪です。そこで治っている人が結構いるんで」と言うと、やや訝しい表情にはなるも強く否定することはせず気持ちを汲んでくれ、「ぶっ倒れたら救急車で来てくださいね(笑)」とエレンタールだけ大量に処方してもらい、一応三ヶ月後の予約を入れて病院を出た。この時、治療を断るというストレスから解放されて晴れ晴れしい気持ちになったのをよく覚えてる。やっぱり人の顔色を気にしすぎるタイプなんだな。そのままネットで大阪行きバスのチケットを予約。

 

2015/1/16
金曜日の仕事終わりに東京駅から深夜バスで大阪梅田へ。
土曜日の朝には高槻駅に着き、ネットカフェに入りWordで問診票を書き、朝一で高槻の松本医院へ入る。漢方薬の匂いが印象的。松本先生はいろんな人の体験談から想像はしていたけど、横山やすしのような印象。と言ってもお笑い番組でたまに見るモノマネでしか知らないけど、70歳のパワフルなおじいさん。

数ヶ月前にアレルギーを疑って検査したアンブロシアの96品目のIgG遅延型フードアレルギー検査(3万円弱)の結果を見せると「こんなもん!」と(笑)。食べ物じゃなくて食べ物に使われる農薬とかに反応してるんだと言われ、正直その時はあまり理解できなかった。ただ、他の人のカルテにも同じ検査結果のグラフがちょくちょく見えて、ここに来る人はやっぱり自分に似ていろいろ調べてるなと思ったり。

先生の診察というか雑談はノンストップ。ホームページの内容がそのままリピート再生。ただその最中もいきなり症状を質問・指摘されたり、ホームページに書いてあった内容を理解しているかクイズを出されたりと気が抜けない(笑)。ど忘れしてる部分もあったけど、最低限は読んでいることを理解してもらえたようで、何度か褒められては固く握手され、背中をドンと叩かれる。

ホームページそのもののキャラクターなんだけど、それによるクレームがあったのか内部からの苦言なのか、見える位置に「患者さんにアホとか言わない」とか「学歴を聞かない」とかいろいろとNGワードが書かれたメモが貼ってあるも、NGワードは全部出てきた(笑)。個人的には大阪の人だしこんなもんだろうと全然嫌じゃなかったけど、まぁ苦手な人もいるんだろうなとは思った。ただ、治したいんならそれくらいスルーしろよと思うが。。

ちなみに狭窄については、もし狭窄が繊維化していたらよくならないかもしれないので、最悪手術も考えるように言われる。これは大学病院でも聞いていたので納得。その後、併設の鍼灸院で人生初の鍼灸を体験し、お灸の仕方を教わる。

この日を境に真武湯も止め、漢方の煎じ薬を二種類、まずは一週間飲むことになり、結果は電話報告するよう言われる。

正確には、「他に困ってる症状はないんか?」と聞かれ、頭痛が多くEVEばかり飲んでいることを伝えると、(広義だろうが)免疫を抑えてしまうから飲まないように言われ、頭痛はヘルペスだろうという独自の解釈で抗ヘルペスウイルス薬を使うように言われる。その他「目の乾きと疲れがひどくて目薬ばかりさしている」と伝えると、目薬なんかを使っていることに怒られ(笑)そのための漢方薬をもう一種類処方された。まぁ医者は目薬を使わないってのはテレビでもたまに見るし。しかし三種類も煎じるのはかなりの苦行。目に良い漢方薬は初日しか飲みませんでした。。

◆この日の処方

  • 断痢湯(ダンリトウ)※下痢止め
    それまで飲んでいた真武湯のおかげでもともと下痢はなかったが、真武湯を止めるので。ちなみに濃い分量での処方のため、1/3量は自由診療扱い。
  • 芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)※止血
    出血を抑えて貧血を改善する。こちらも濃い分量での処方のため、1/3量は自由診療扱い。
  • 牛蒡芩連湯(ゴボウゴンレントウ)※目
    前述の通り、飲んでいないので効果不明。保険の範囲内。
  • 解毒潤肌湯 ※オリジナル漢方風呂
    WEBを検索すればわかるけど、松本医院に来るアトピー患者や免疫力アップに定評のあるもの。一時間以上入るよう言われる。自由診療で1つ1410円を2回分。
  • アシクロビル ※抗ヘルペスウイルス薬
    通常は口の周りにできるヘルペスや帯状疱疹に処方されるもの。松本医院では各種ヘルペスウイルスがあらゆる病気の黒幕と捉えられており、松本先生曰くリバウンドやその他頭痛などの症状に効くとされる。自由診療で5600円。症状が出た時に頓服として飲めばいいものだが、この時は特にそれを聞かされていなかったので、真面目に一週間飲み続けてもったいないことをした。
    (この頃の松本医院はIBDとヘルペスウイルスの関連はあまり重視されていなかったので頓服扱いでもOKでしたが、2017年現在、難治性IBDの原因は各種ヘルペスウイルスという見方が強くなり、ほとんどの患者に大量処方されるようになったようです。実際、ヘルペスウイルスの中でも特にサイトメガロウイルス(CMV)の関与は大学病院などでも多数の研究や報告がされており、EBウイルス(EBV)等も含め、数年中には公然の事実になると思われます)
  • 紫雲膏(シウンコウ)※主にアトピー性皮膚炎用の軟膏
    クラススイッチ後にアトピーが出た時に使うもの。漢方の軟膏としてはポピュラーで、一部メーカー品のみ保険適用になるが、オリジナルのせいか自由診療で1410円。Amazonでも買えるけど、自由診療だからといって特に価格が高いわけではなかった。

以上、保険は当時まだ特定疾患の受給者証をもらっていなかったので、3割負担で松本医院に25820円、鍼灸に4320円、薬局に3070円。深夜バス代と帰りの新幹線も入れたら。。この時点での教訓は、クローン病や潰瘍性大腸炎以外の症状は、軽微なものは言わずに我慢すること(笑)。先生は厚意で治してやろうと処方してくれますが、時間とお金に余裕のある人じゃないと負担が増えるので要注意。

帰りの新幹線の中で、本当に気力が湧いてきました。他の誰も言ってくれない「治る」という言葉を当たり前のように言ってくれる松本先生自身も、免疫を上げるプラセボ(偽薬)だと思いました。

松本医院では、IBDを含む自己免疫疾患の基本的な原因を化学物質によるアレルギーと捉えて、治し方を確立しています。自分の場合、思えば20代半ばから風邪やカラオケで喉を嗄らせてしまうとその後数ヶ月間は咳が止まらなくなるよくわからない気管支炎を何度も経験していました。内科を何件替えても治らなかったけど、耳鼻科でアレルギー検査をするとハウスダストとダニに高反応。しかし喘息用を含め何の薬も効かず。。最後はいにしえの大根&蜂蜜に頼ったり、喉を使わないように仕事を有給で一週間休んで家でじっとしてたら治ったり、ぼーっと一人で数日間京都旅行をしていたら治ったこともあった。自分の場合、この気管支炎が通常のアレルギーで、治ってしまったのは何らかの化学物質への免疫寛容が起きたんじゃないかと。本来IgE/IgAのアレルギーで対処すべき化学物質が、ストレスがかかって自律神経(免疫バランス)が乱れたことにより、IgG抗体による自己免疫疾患になったのか。。

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